アドヴィックスとトヨタ、デンソー、アイシンの関係

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アドヴィックス(ADVICS)はトヨタグループのブレーキシステムサプライヤである。2001年に当時のアイシン精機やトヨタ、デンソー、住友電工のブレーキ事業を統合して誕生した。

ここでは、アドヴィックスとトヨタ、デンソー、アイシンの関係を見ていく。

アドヴィックスとトヨタ、デンソー、アイシンの資本関係

下の図に、アドヴィックスと4社の資本関係を示す(数字は議決権の所有割合、2021年3月時点)。

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「子会社」とは「親会社」が経営を支配している会社である。「関連会社」とは「その他の関係会社」が重要な影響を与えることができる子会社以外の会社である(詳細は文末)。

【 子会社 関連会社 一覧 】
トヨタ自動車 デンソー アイシン

アドヴィックスとアイシン

アドヴィックスとアイシンは、アドヴィックスが子会社、アイシンが親会社という関係である。アドヴィックスはアイシン高丘やアイシン化工と並び、アイシングループの主要な子会社の1社と数えられる。

アドヴィックスはアイシンの連結子会社であるため、アドヴィックスの売上高はアイシンの売上高に含まれる。下のグラフで示す通り、アイシンの売上高に占めるアドヴィックスの割合はおおむね15%程度で推移している。

売上高の数字はアイシン、アドヴィックスともに連結売上高である。

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アドヴィックスとデンソー

アドヴィックスとデンソーは、アドヴィックスが関連会社、デンソーがその他の関係会社という関係である。また、アイシンとデンソーはトヨタの関連会社である。その他に、トヨタがアドヴィックスの株式を9%、住友電工が6%の割合で所有している。

デンソーはアドヴィックスの議決権を34.0%(3分の1+α)所有しているため、株主総会での特別決議を単独で否決する権限(拒否権)がある。同様の例として、日産が所有する三菱自動車の議決権も同じく34.0%である。

※詳細記事:ルノー・日産・三菱自動車アライアンスの資本関係

トヨタとブレーキ事業

トヨタはアドヴィックスの他に曙ブレーキにも出資しており、株式の11.6%を所有する筆頭株主となっている。ただし一般には曙ブレーキはトヨタグループ(トヨタ系)とは見なされていない、独立系の部品メーカーである。

曙ブレーキは2019年に事業再生ADRを申請した。事業再生ADRとは、会社更生法や民事再生法などの法律(法的整理)によらず、事業再生を図るための方法(私的整理)の1つである。

この際、曙ブレーキがトヨタに増資などの支援を求めるとの観測があった。しかし結果として、曙ブレーキはトヨタへ支援を要請せず、ファンドの支援を受けるにとどまった。

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最後に「親会社」「子会社」もしくは「その他の関係会社」「関連会社」の関係を下の図に示す(数字は議決権の所有割合)。これらを全てまとめて「関係会社」と呼ぶ。

資本関係説明

基本的に、図に示す議決権の所有割合によって関係が決まることが多い。ただし、その会社の重要性や具体的な関係などを考慮する場合もあり、常に議決権の所有割合によって決まる訳ではない。

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