デンソーとアイシンはトヨタ自動車傘下の大手自動車部品メーカーである。長らくトヨタ自動車の関連会社として、その生産を支えてきた。
グローバルな部品サプライヤとなった現在でも売上の多くはトヨタ自動車もしくはその傘下企業からのものである。ここではデンソーとアイシンのトヨタへの依存度を、トヨタグループ向け売上高から見ていく(2021年3月時点)。
デンソーとアイシンの売上高とトヨタ向けの割合
まず図に示すのはデンソーとアイシンそれぞれの売上高の推移である。デンソーの売上高は5兆円規模、アイシンは3~4兆円規模であり、ボッシュやマグナ、コンチネンタルと並び世界でも最大手の一角に名を連ねる部品サプライヤである。
次に、デンソーとアイシンの売上高に占めるトヨタグループ向けの売上高の割合を示す。
図に示すように、デンソーは売上高の50%前後がトヨタグループ向け、アイシンは売上高の60%前後がトヨタグループ向けとなっている。アイシンはデンソーに比べ、トヨタグループへの依存度が高いと言える。
トヨタ以外への売上高
両社の2021年3月期において、売上高の上位1位~3位を占めた取引先を示す(カッコ内の数字は売上高に占める割合)。トヨタ以外への売上高が極端に少ない。
第1位 トヨタグループ
24,991 億円 ( 50.6 % )
第2位 ホンダ
3,760 億円 ( 7.6 % )
第3位 ステランティス
1,936 億円 ( 3.9 % )
第1位 トヨタグループ
21,402 億円 ( 60.7 % )
第2位 VW & AUDI
2,400 億円 ( 6.8 % )
第3位 ステランティス
1,939 億円 ( 5.5 % )
トヨタグループ向けが売上に占める割合がデンソーで50.6%、アイシンで60.7%に対して、第2位以下が10%未満となっている。
デンソー、アイシンはともに上場企業であり、半ばトヨタ自動車からは独立した経営を行っている。このことを踏まえると、少なくとも売上高の半分程度をトヨタグループ向けが占めている現在の2社の状態は依存度が高いと言える。
【 関連記事 】
・トヨタとデンソー、アイシンの関係と違い
・アイシングループ主要〇〇社とは