大塚ホールディングスは国内の製薬大手で、医薬品の他に食品や飲料なども手掛けている。ここでは大塚ホールディングスを中心とした企業群の関係を見ていく(2021年12月時点)。
大塚製薬と大鵬薬品、アース製薬、ニチバンの資本関係
下の図に、大塚ホールディングス(大塚HD)と主要な関係会社の資本関係を示す(数字は議決権の所有割合)。5社のうち、大塚HDとニチバン、アース製薬が上場会社である。※点線は間接所有を表す。
「子会社」とは「親会社」が経営を支配している会社である。「関連会社」とは「その他の関係会社」が重要な影響を与えることができる子会社以外の会社である(詳細は文末)。
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大鵬薬品工業と大塚製薬
大塚グループを代表する大塚製薬、大鵬薬品工業と大塚HDは、大塚製薬と大鵬薬品工業が子会社、大塚HDが親会社という関係である。議決権を100%所有している為、完全子会社となっている。
大塚グループに占める大塚製薬の規模は大きく、1/3程度を占めている。2021年12月期は大塚HDの売上高1兆4,983億円に対し、大塚製薬の売上高は5,225億円であった。
2008年、大塚HDが株式移転により設立され、大塚製薬は大塚HDの傘下となった。大鵬薬品工業は大塚製薬の子会社であったが、大塚HDの直接の傘下に入ることとなり、同時に株式交換により100%子会社化された。 ※株式交換と株式移転の違いとは
ニチバンと大鵬薬品工業
ニチバンはセロテープで知られる上場会社である。セロテープはニチバンの登録商標となっている。
ニチバンは大鵬薬品工業の関連会社であり、大鵬薬品工業はニチバンのその他の関係会社である。同時に、ニチバンは大塚HDの関連会社でもある。ニチバンと大鵬薬品工業の関係は長く、1976年の業務提携と資本参加に始まる。
ただしニチバンと大鵬薬品工業の取引関係は浅く、ニチバンの大鵬薬品工業との取引高は200万円でしかない。ニチバンの売上高は約400億円である。※いずれも2021年3月期の数字
アース製薬と大塚グループ
アース製薬はバスロマン、モンダミン、アースノーマットで知られる上場会社である。
アース製薬と大塚HDの間に直接の資本関係はない。大塚HDの子会社である大塚製薬、大鵬薬品工業、大塚製薬工場、大塚化学によりアース製薬の議決権が所有されている。その間接的な所有によって、アース製薬と大塚HDは、アース製薬が関連会社、大塚HDがその他の関係会社という関係になっている。
アース製薬と大塚グループの関係は長く、1970年に資本参加することから始まった。また、アース製薬はバスクリン、白元アースを完全子会社として傘下に置く。
親会社と子会社、関連会社とは
「親会社」「子会社」もしくは「その他の関係会社」「関連会社」の関係を下の図に示す(数字は議決権の所有割合)。これらを全てまとめて「関係会社」と呼ぶ。
基本的に、図に示す議決権の所有割合によって関係が決まることが多い。ただし、その会社の重要性や具体的な関係などを考慮する場合もあり、常に議決権の所有割合によって決まる訳ではない。