ソフトバンクとZホールディングス、ヤフー、ラインの関係

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ソフトバンクグループ㈱は、企業グループであるソフトバンクグループの最終親会社である。ここではソフトバンクグループのソフトバンク事業について見ていく(2022年3月時点)。

ソフトバンクグループは、次の6つのセグメントで事業を展開する。これらの事業のうち、ソフトバンクとZホールディングス、ヤフー、LINEはソフトバンク事業に属する

【 ソフトバンクグループの6つの事業 】
・持株会社投資事業
・ソフトバンクビジョンファンド事業
・ソフトバンク事業
・アーム事業
・ラテンアメリカファンド事業
・その他

ソフトバンクとZホールディングス、ヤフー、LINEの資本関係

ソフトバンクと系列のZホールディングス、ヤフー、LINEの資本関係を図に示す(数字が議決権の割合( )は間接所有)。ピンクのボックスで示すのは上場会社、ブルーのボックスで示すのは非上場会社である。

softbank-group-relations

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「子会社」とは「親会社」が経営を支配している会社である。「関連会社」とは「その他の関係会社」が重要な影響を与えることができる子会社以外の会社である(詳細は文末)。図に示す通り、ソフトバンクグループには多くの親子上場が存在する。

【 子会社と関連会社 一覧 】
ソフトバンクグループ ソフトバンク

ソフトバンクグループジャパンとは

ソフトバンクグループジャパンは、ソフトバンクグループ㈱の完全子会社である。ソフトバンクグループジャパンは上記の6つの事業のうち、持株会社投資事業に含まれる。

持株会社投資事業にはソフトバンクグループジャパンの他、英国のSoftBank Group Capital Limited や米国の SB Group US, Inc. などが子会社として含まれる。Alibaba Group Holding Limited(アリババ)は関連会社として、この持株会社投資事業に含まれる。

ソフトバンクとは

ソフトバンクは、ソフトバンクグループジャパンの子会社であり、上場会社である。ソフトバンクはソフトバンクグループの6つの事業のうち、ソフトバンク事業に含まれる。ソフトバンクグループジャパンが所有するソフトバンクの議決権の割合は40.7%である。

文末で述べるように、基本的には議決権の50%を超える割合を所有することで子会社とする。しかしソフトバンクグループジャパンはソフトバンクの経営を実質的に支配していると判定したため、子会社としている(支配力基準)。

ソフトバンクは、次の5つのセグメントで事業を展開する。Zホールディングスとその子会社であるヤフー、ZOZO、LINEなどはヤフー・LINE事業に含まれる。

【 ソフトバンクの5つの事業 】
・コンシューマ事業
・法人事業
・流通事業
・ヤフー・LINE事業
・その他

ソフトバンクのモバイルサービスである次の3ブランドは、コンシューマ事業に含まれる。

・SoftBank(ソフトバンク)
・Y!mobile(ワイモバイル)
・LINEMO(ラインモ)

かつてはソフトバンクとワイモバイルは別会社であったが、現在は同じ会社である。ラインモはソフトバンクが2021年より開始したオンライン専用の新しい料金ブランドとなっている(LINEモバイルの後継)。

現在のソフトバンクは2015年までのソフトバンクモバイルであり、2006年までのボーダフォンである。ソフトバンクはかつて存在した、ソフトバンクBB、ソフトバンクテレコム、ワイモバイルの3社を吸収合併した。

【 社名の変遷 】
ボーダフォン → ソフトバンクモバイル → (3社を吸収合併)→ ソフトバンク

ソフトバンクはAホールディングスの他、PayPay証券やITmedia、ベクターなどを子会社として抱える。またDiDiモビリティジャパンやWeWORK Japan を関連会社としている。

Aホールディングスとは

Aホールディングスは、ソフトバンクの子会社であり、非上場会社である。ソフトバンクの例と同様に、ソフトバンクが所有する議決権は50%以下であるが、Aホールディングスを子会社としている(支配力基準)。

Aホールディングスの議決権の残り50%は、韓国企業であるNAVER Corporation が所有する(間接所有を含む)。

ZホールディングスとLINEの経営統合

上述のようにAホールディングスにNAVERの資本が入っているのは、2021年のソフトバンクによるLINEの買収(ZホールディングスとLINEの経営統合)による。

メッセンジャーアプリを展開するLINEは、NAVERの子会社であった。LINEは、ソフトバンクの子会社でありZホールディングスの親会社である汐留Zホールディングスを吸収合併する。その後、LINEは子会社であるLINE分割準備㈱に全事業を継承させ、持株会社となった。

持株会社となったLINEは商号をAホールディングスと変更する。またLINE分割準備㈱はZホールディングスに買収され、商号をLINEと変更した。つまり現在のAホールディングスは2021年までのLINEであり、現在のLINEは2021年に新しく設立された会社である。

【 社名の変遷 】
LINE → Aホールディングス
LINE分割準備 → LINE
汐留ZHD → 吸収合併され消滅

Zホールディングスとは(ZHD)

Zホールディングスは、Aホールディングスの子会社であり、上場会社である。Zホールディングスは、ソフトバンクの5つの事業のうち、ヤフー・LINE事業に含まれる。※Zホールディングス(読み:ゼットホールディングス)

Zホールディングスは2019年までのヤフーである。2019年、ヤフーは持株会社制に移行し、商号を変更した。この時、ヤフー(現在のZHD)から「Yahoo! JAPAN事業」を継承するために新設された子会社が、現在のヤフーである。

【 社名の変遷 】
ヤフー → Zホールディングス
(新設子会社)→ ヤフー

Zホールディングスは、次の3つのセグメントで事業を展開する。

【 ZHDの3つの事業 】
・メディア事業
・コマース事業
・戦略事業

ヤフー、ZOZO、LINEなど

ヤフー、ZOZO、LINEなどはZホールディングスの子会社である(間接所有)。ヤフーとLINEはZホールディングスの3つの事業のうち、全てに属する。ZOZOはコマース事業に属する。

ヤフーとLINEがZホールディングスの傘下となった経緯は前述の通り。ZOZOは2019年、当時のヤフーにより買収され子会社となった。このタイミングでZOZOの創業者である前澤友作氏は社長と取締役を退任している。

Zホールディングスはこれら3社の他に、上場会社であるアスクルや一休(間接所有)、PayPay銀行(間接所有)などを子会社としている。またPayPayはZホールディングスの関連会社である。

さらにLINEは、図に示す通り上場会社である出前館を関連会社としている。

※関連記事:アスクルって何の会社?

親会社と子会社、関連会社とは

「親会社」「子会社」もしくは「その他の関係会社」「関連会社」の関係を下の図に示す(数字は議決権の所有割合)。これらを全てまとめて「関係会社」と呼ぶ。

資本関係説明

基本的に、図に示す議決権の所有割合によって関係が決まることが多い。ただし、その会社の重要性や具体的な関係などを考慮する場合もあり、常に議決権の所有割合によって決まる訳ではない。

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