日本電信電話はNTTグループの持株会社である。NTTグループは売上高10兆円、従業員数30万人を超える日本を代表する企業グループとなっている。ここでは、日本電信電話とNTTドコモ、NTTデータ、NTTコミュニケーションズの違いと関係を見ていく(2022年3月時点)。
日本電信電話とNTTドコモ、NTTデータ、NTTコミュニケーションズの資本関係
日本電信電話とNTTドコモ、NTTデータ、NTTコミュニケーションズの資本関係を図に示す(数字は議決権の所有割合)。
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「子会社」とは「親会社」が経営を支配している会社である。日本電信電話は952社の子会社と141社の関連会社を抱える。「関連会社」とは「その他の関係会社」が重要な影響を与えることができる子会社以外の会社である(詳細は文末)。
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NTTとは(事業内容)
NTTグループは次の4つのセグメントを抱える。このうちNTTドコモ、NTTコミュニケーションズは総合ICT事業に含まれる。NTTデータはグローバル・ソリューション事業に含まれる。
・地域通信事業
・グローバル・ソリューション事業
・その他(不動産、エネルギー等)
NTTコミュニケーションズやNTTデータ、NTTコムウェアの正式な社名は「エヌ・ティ・ティ・」と書く。NTTドコモは2013年にカタカナからアルファベットの「NTT」へ社名を変更している。NTTは2018年の設立当初からアルファベットの「NTT」である。
2002年の商業登記規則等の一部改正により、社名にローマ字(アルファベット)が使えるようになった。そのため、2002年以前に設立された会社は「エヌ・ティ・ティ・」のようにカタカナでアルファベットを書く。
日本電信電話の総合ICT事業
NTTドコモと日本電信電話は、NTTドコモが子会社、日本電信電話が親会社という関係である。2020年、日本電信電話は上場する子会社であったNTTドコモを完全子会社化した。
当時、NTTコミュニケーションズはNTTの傘下にあり、NTTコムウェアは日本電信電話の直接の子会社であった。2022年、これら2社をNTTドコモの子会社とし、現在の体制となっている。
なお、日本電信電話がNTTコムウェアに直接出資する割合は33.4%であるが、子会社であるNTTドコモの持分と合わせると100%になる。このためNTTコムウェアは日本電信電話の子会社である。
日本電信電話のグローバル・ソリューション事業
NTTと日本電信電話は、NTTが子会社、日本電信電話が親会社という関係である。またNTTデータとNTTは、NTTデータが子会社、NTTが親会社という関係である。NTTデータは現在でも上場会社であり、日本電信電話とNTTデータは親子上場の関係にある。
※関連記事:NTTデータの親会社と子会社 一覧
NTTは2018年に設立され、日本電信電話を親会社、NTTデータやNTTコミュニケーションズを子会社とした。それ以前はNTTデータとNTTコミュニケーションズはともに、日本電信電話から直接出資を受ける子会社であった。その後、上述のようにNTTコミュニケーションズはNTTドコモの子会社となっている。
一般に「NTT」とは、必ずしもNTTのみを指すわけではない。NTTグループに所属する系列の事業会社のいずれかを指して使われることが多い。
NTTデータは、NTTデータ経営研究所、NTTデータSMS、JSOL、クニエなどを子会社とする。NTTデータは、312社の子会社と37社の関連会社を抱えている。
日本電信電話の地域通信事業とその他の事業
地域通信事業には、東日本電信電話(NTT東日本)や西日本電信電話(NTT西日本)が含まれる。
その他(不動産、エネルギー等)には、NTTアーバンソリューションズやNTTファイナンスが含まれる。これらはいずれも日本電信電話の子会社である。
親会社と子会社、関連会社とは
「親会社」「子会社」もしくは「その他の関係会社」「関連会社」の関係を下の図に示す(数字は議決権の所有割合)。これらを全てまとめて「関係会社」と呼ぶ。
基本的に、図に示す議決権の所有割合によって関係が決まることが多い。ただし、その会社の重要性や具体的な関係などを考慮する場合もあり、常に議決権の所有割合によって決まる訳ではない。
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