セイコーとセイコーエプソンの違いと関係【腕時計の国産メーカー】

ここでは、腕時計の国産メーカーであるセイコーグループとセイコーエプソンの関係と違いについて見ていく(2022年3月時点)。

セイコーグループとセイコーエプソンの資本関係

セイコーグループとセイコーエプソンは、いずれも東証プライム市場に上場する。セイコーグループはセイコーエプソンに出資しており、第4位の大株主となっている。セイコーエプソンの第5位までの大株主は次の通り。

大株主の名称所有株式数の割合(%)
日本マスタートラスト信託銀行株式 会社(信託口)22.54
株式会社日本カストディ銀行(信託 口)7.35
三光起業株式会社5.77
セイコーホールディングス株式会社3.46
みずほ信託銀行株式会社 退職給付信託 みずほ銀行口 再信託受託者 株式会社日本カストディ銀行2.35

※セイコーホールディングスは2022年10月、セイコーグループと社名を変更した。ここでは、2022年3月時点での情報を掲載しているため、社名「セイコーホールディングス」となっている。

セイコーグループとセイコーエプソンのいずれにも親会社は存在しない。

【 子会社 関連会社 一覧 】
セイコーグループ セイコーエプソン

セイコーグループとセイコーエプソンの出自

セイコーグループとセイコーエプソンは同根企業である。

セイコーグループの沿革

セイコーグループは1881年に創業、1892年に「精工舎」として設立された。

精工舎はその後、服部時計店、服部セイコー、セイコー、セイコーホールディングスなどと社名を変更していく。2022年、セイコーグループと社名を変更し、現在に至る。

セイコーエプソンの沿革

1937年、「精工舎」のウオッチ部門が分離独立し、第二精工舎となる(現在のセイコーインスツル、セイコーグループの子会社)。1959年、第二精工舎の諏訪工場が分離独立し諏訪精工舎となった。

1985年、諏訪精工舎は子会社のエプソンを吸収合併し、社名をセイコーエプソンに変更した。2001年にはオリエント時計を子会社化。2017年、セイコーエプソンはオリエント時計を吸収し、オリエント時計は消滅した(ブランドは存続)。

セイコーグループの連結売上高は2,000億円規模で推移するのに対し、セイコーエプソンの連結売上高は1兆円を超える。セイコーエプソンは母体であるセイコーグループの5倍の規模を持つ企業となった。

セイコーグループとセイコーエプソンの事業内容

セイコーグループの事業内容

セイコーグループは次の4つのセグメントで事業を展開する。

ウオッチ事業
・電子デバイス事業
・システムソリューション事業
・タイムクリエーション・和光事業他

セイコーグループの業績は次の通り。ウオッチ事業は、セイコーグループの連結売上高の約半分を占める

【 2022年 3月期 売上高 】
セイコーグループ:2,374億円
うち、ウオッチ事業:1,257億円

セイコーグループの連結従業員およそ1万2,000名の約半分が時計事業に所属する。これはシチズン時計とほぼ同規模である。

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セイコーエプソンの事業内容

セイコーエプソンは次の3つのセグメントで事業を展開する。

・プリンティングソリューションズ事業
・ビジュアルコミュニケーション事業
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業

このうち、「マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業(以降、M・W事業)」においてウォッチやウオッチムーブメントの開発、製造、販売をおこなっている。

セイコーエプソンの業績は次の通り。M・W事業は連結売上高の20%弱を占める。

M・W事業の中で特にウォッチやウオッチムーブメントを扱う事業を「ウエアラブル機器事業(以降、W事業)」と呼ぶ。W事業はセイコーエプソン連結売上高の3%を占めるに過ぎず、セイコーグループのウオッチ事業よりも小規模である。

【 2022年 3月期 売上高 】
セイコーエプソン:1兆1,289億円
うち、M・W事業:1,920億円
うち、W事業:347億円

M・W事業にはセイコーエプソンの連結従業員7万8千人のうち、1万1千人が属する。セイコーエプソンの最大事業はプリンタを扱う「プリンティングソリューションズ事業」であり、従業員5万人が属する。

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