ジェイテクトとは何の会社? どんな会社? 事業内容と企業研究

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ジェイテクトの事業について見ていく(2022年3月時点)。

ジェイテクトとは(ひと言で)

トヨタグループの1社。ベアリングと自動車部品(パワステ関連)、工作機械が主力。

ジェイテクトの沿革

ジェイテクトは2006年、光洋精工と豊田工機が合併し発足した。光洋精工は1921年、光洋精工社として創立され、大阪においてベアリングの生産を開始する。1935年、株式会社として光洋精工を設立した。

一方の豊田工機は1941年、金属工作機械の生産を目的とし、トヨタ自動車工業(現 トヨタ自動車)から分離独立し設立された。

1921年:光洋精工社 創立
1935年:光洋精工 設立
1941年:豊田工機 トヨタより分離独立
1980年:トヨタが光洋精工の筆頭株主となる
2006年:合併しジェイテクトが発足
2021年:本店を愛知県刈谷市に移転

※豊田工機の豊田は「とよた」ではなく「とよだ」と読む。

上場会社としてのジェイテクトと業種

ジェイテクトは東証プライム市場に上場し、業種は「製造業」の「機械」に分類される。「機械」にはジェイテクトの他、次の上場会社が名を連ねる。

・三菱重工業
・ダイキン工業
・小松製作所
クボタ
IHI
・日立建機 など

ジェイテクトはトヨタ系自動車部品メーカーの1社として数えられることがある。同様の会社としてデンソー、アイシン、トヨタ紡織などが挙げられる。ジェイテクトの業種は「機械」なのに対して、これらのトヨタ系企業は「輸送機器」業界に分類される。

ジェイテクトとトヨタ自動車の関係

トヨタとジェイテクトの資本関係を示す(数字は議決権の所有割合)。

jtekt-toyota-relations

ジェイテクトはトヨタの関連会社である。子会社ではない。「関連会社」とは「その他の関係会社」が重要な影響を与えることができる子会社以外の会社である。ジェイテクトの社長はトヨタ自動車の出身者が務める。

※関連記事:デンソーと豊田自動織機、アイシン等の社長、出身大学(学歴)と経歴

デンソー、アイシン、トヨタ紡織なども同様に、トヨタ自動車の関連会社である。

【 詳細記事 】
トヨタとデンソー、アイシンの関係と違い
トヨタと豊田自動織機、トヨタ紡織、豊田合成の関係と違い

ジェイテクトの大株主

ジェイテクトの大株主は次の通り。トヨタ自動車の他、デンソーや豊田自動織機、豊田通商などトヨタグループ各社が名を連ねる。

大株主の名称 所有株式数の割合(%)
トヨタ自動車 22.52
日本マスタートラスト信託銀行 14.81
日本カストディ銀行 7.16
デンソー 5.36
日本生命保険 3.24
豊田自動織機 2.28
三井住友信託銀行 2.23
りそな銀行 1.97
三井住友銀行 1.86
豊田通商 1.74

※関連記事:ジェイテクトの子会社と関連会社 一覧

ジェイテクトの業績

ジェイテクトの売上高に相当する売上収益は1兆円を超える規模を誇る。営業利益率はここ10年間、1桁台と日本の製造業としては平均的な値にとどまる。

【 2022年 3月期 】
売上収益:1兆4,284億円
営業利益:364億円

ジェイテクトは、売上に占めるトヨタ向けもしくはトヨタグループ向けの割合が低いことで知られる。2022年3月期におけるトヨタ向け、トヨタグループ向けの売上比率は次の通り。

【 売上収益に占める割合 】
トヨタ向け:17.1%
トヨタグループ向け:34.5%

トヨタ系自動車部品メーカーを代表する2社、デンソーとアイシンのトヨタグループ向け売上比率はそれぞれ、50%、60%程度。ジェイテクトはトヨタへの依存を低く抑えられている。

※詳細記事:デンソーとアイシンのトヨタへの依存度推移

ジェイテクトの事業セグメント

ジェイテクトはグループとして、次に示す3つのセグメントで事業を展開する。ジェイテクトグループは、ジェイテクトの他、子会社146社と関連会社17社で構成される。

・自動車
・産機・軸受
・工作機械

◆ 自動車セグメントでは、電動や油圧のパワステの他、トルセンやFCV向け減圧バルブなどを製造・販売する。

◆ 産機・軸受セグメントでは、ボールベアリングやローラーベアリングといったベアリングなどを製造・販売する。

◆ 工作機械セグメントでは、研削盤やマシニングセンタ、切削機、などを製造・販売する。

2022年3月期におけるセグメントの売上収益は次の通り。売上の半分以上(67.6%)を自動車セグメントが占める。

【 セグメント別 売上収益 】
・自動車:9,653億円(67.6%)
・産機・軸受:3,115億円(21.8%)
・工作機械:1,514億円(10.6%)

ジェイテクトの海外売上比率

ジェイテクトはグローバルに事業を展開する。2022年3月期におけるセグメント別の海外売上比率は次の通り。

【 自動車 】
国内売上:3,646億円(37.8%)
海外売上:6,008億円(62.2%)
【 産機・軸受 】
国内売上:1,458億円(46.8%)
海外売上:1,658億円(53.2%)
【 工作機械 】
海外売上:721億円(47.6%)
海外売上:793億円(52.4%)

自動車セグメントの海外比率が最も高くなっているが、割合は6割にとどまる。また、産機・軸受と工作機械においては海外比率は半分程度にとどまる。

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