デンソーとは、何の会社？ 事業内容と将来性【企業研究】

デンソーの事業内容について見ていく（2022年3月時点）。

デンソーとは（ひと言で）

世界２位、国内最大手の自動車部品メーカー。トヨタ自動車の関連会社であり、売上高の半分をトヨタグループに依存する。

※詳細記事：デンソーとアイシンのトヨタへの依存度推移

デンソーの沿革

デンソーは1949年、旧トヨタ自動車工業（現トヨタ自動車）から分離独立し、日本電装として設立された。1951年に名証に上場を果たす。1996年にデンソーと商号を変更し、現在に至る。

現在でもデンソーはトヨタ自動車の関連会社である（子会社ではない）。※詳細記事：トヨタとデンソー、アイシンの関係と違い。

他の子会社や関連会社と異なり、社長はデンソーの生え抜きが務める。※詳細記事：デンソーと豊田自動織機、アイシン等の社長、出身大学（学歴）と経歴

上場会社としてのデンソーと業種、競合他社

デンソーは東証プライム市場に上場し、業種は「製造業」の「輸送用機器」に分類される。「輸送用機器」には次の上場会社が名を連ねる。

業種「輸送用機器」は、完成車メーカーと自動車部品メーカーを中心とする。

競合他社として、次のような世界的な自動車部品メーカーが挙げられる。

国内に目を向けると、日立Astemo（旧 日立オートモティブシステムズなど）やマレリホールディングス（旧 カルソニックカンセイ）、パナソニックホールディングスなどが挙げられる。

業績と従業員の給与水準

デンソーの業績は次の通り。

海外売上比率は、58.4%で、売上の半分近くを国内に依存する。国内向けの売上高41.6%に、米国向け17.5%、中国向け13.8%と続く。

研究開発費は4,975億円であり、研究開発費比率は9.0%に達する。5,000億円近い研究開発費は国内の全てのメーカーのうちでも有数の規模である。※研究開発費比率：売上高に占める研究開発費の割合。

従業員の給与水準は次の通り。

デンソーの将来性

ここでは成長性分析を通じて、デンソーの将来性を占う。成長性分析では、売上高成長率と純利益増加率、総資産成長率、従業員増加率を用いる。

◆ 過去5年の売上高の推移は次の通り。売上高成長率は8%であった。

◆ 過去5年の純利益の推移は次の通り。純利益増加率は-17.7%であった。

◆ 過去5年の総資産の推移は次の通り。総資産成長率は28.9%であった。

◆ 過去5年の従業員数の推移は次の通り。従業員増加率は-0.5%であった。

デンソーは4つの指標のうち、2つでプラス成長を示した。

デンソーの事業内容（セグメント）

デンソーはグループとして次の6つのセグメントで事業を展開する。デンソーは5つの自動車部品に関連した事業と、その他の事業を1つ抱える。

1. サーマルシステム
HVAC（暖房・換気・空調の意味）、コンプレッサ、シート空調、コンデンサ、ラジエータなど

2. パワトレインシステム
コモンレールや尿素SCRインジェクタなどのディーゼルエンジン部品、インジェクタや直噴ポンプなどのガソリンエンジン部品、点火プラグ、排気センサ、可変カムタイミング、フィルタなど

3. モビリティエレクトロニクス
エンジンECU、トランスミッション制御ECU、ヘッドアップディスプレイ、ETC車載器、画像センサ、ミリ波レーダ、自動運転ECU、ブザーなど

4. エレクトリフィケーションシステム
インバータ、DC-DCコンバータ、電池ECU、リチウムイオン電池パック、電動パワーステアリングECU、ワイパシステム、ウォッシャシステムなど

5. 先進デバイス
CASE領域製品、エアフロメータなどのセンサ類、圧力センサ、光センサ、温度センサといった半導体センサなど

6. 非車載事業
QRコードスキャナ、ICカードリーダ、RFIDリーダ、ロボットや園芸関連製品などの自動車部品以外

デンソーの大株主

デンソーの大株主にはトヨタ自動車をはじめ、豊田自動織機や東和不動産、アイシンなどトヨタグループ各社が名を連ねる。

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