クボタの事業について見ていく(2021年12月時点)。クボタは農業機械の国内最大手、世界では3位圏の市場シェアを占める。
クボタの沿革
クボタは1890年、久保田権四郎により久保田鉄工所として創業した。1893年に水道用鋳鉄管、1922年に小型エンジンの製造を開始している。戦後1949年に東証と大証に上場、1953年に久保田鉄工と社名を変更した。
1976年、ニューヨーク証券取引所に上場(現在は上場廃止)。1990年にクボタと社名を変更し、現在に至る。
上場会社としてのクボタと業種
クボタは東証プライム市場に上場し、業種は「製造業」の「機械」に分類される。「機械」にはクボタの他、次の上場会社が名を連ねる。
・ダイキン工業
・小松製作所
・ジェイテクト
・IHI
・日立建機
・住友重機械工業 など
クボタの業績と従業員の給与水準
クボタは売上高成長を続けている。2013年3月期に1兆1,676億円だった売上高は、2021年12月期には2兆1,968億円と、10年でほぼ2倍となった。製造業としては高収益であり、営業利益率が10%を下回ることはまれである。
売上高:2兆1,968億円
営業利益:2,462億円
営業利益率:11.2%
従業員の給与水準は次の通り。
平均年齢:40.4歳
平均年間給与:794万円
クボタの競合他社
クボタは農機メーカーとして国内最大手である。国内の競合他社にはヤンマーアグリ、井関農機、三菱マヒンドラ農機などが挙げられる。ヤンマーアグリはヤンマーホールディングスの子会社、三菱マヒンドラ農機は三菱重工の子会社である。
海外の競合他社には米国のディア(Deere & Company)や欧州のCNHインダストリアルなど世界的な農機メーカーが挙げられる。ディアはヤンマーアグリと協業している。
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クボタの事業セグメント
クボタはグループとして、次に示す3つのセグメントで事業を展開する。クボタグループはクボタの他、連結子会社183社、持分法適用会社14社で構成される。
・水・環境
・その他
2021年12月期におけるセグメント別の売上高は次の通り。( )内は連結売上高に占める各セグメントの割合。農業機械を手掛ける機械が最大事業となっており、売上の84.9%を占める。
水・環境:3,069億円(14.0%)
その他:577億円(2.6%)
調整分を含むため、売上高の合計は連結売上高と一致せず、割合の合計は100%とならない。各セグメントの事業内容は次の通り。
機械事業
機械事業では、農業機械やエンジン、建設機械を手掛ける。
◆ 農業機械及び農業関連商品
トラクタや耕うん機、コンバイン、田植機、芝刈機、ユーティリティビークルなど。
◆ エンジン
農機や建機、発電用などのエンジン。
◆ 建設機械
ミニバックホー、ホイールローダ、コンパクトトラックローダ、スキットステアローダなど。
水・環境事業
水・環境事業では、パイプインフラ関連製品や環境関連製品を手掛ける。
◆ パイプインフラ関連
ダクタイル鉄管、合成管、官需向けバルブ、排水集合管、各種建設工事の設計・施工など。
◆ 環境関連
上下水処理装置及びプラント、ポンプ及びポンププラント、水処理用膜ユニット、各種用排水プラントなど。
水・環境事業を手掛ける関係会社としてクボタケミックスや日本プラスチック工業、クボタ環境サービス、クボタ建設などが挙げられる。
その他
その他事業では、物流などの各種サービスや屋根材、外壁材を手掛ける。屋根材や外壁材は関連会社であるケイミューが手掛ける。
ケイミューはクボタとパナソニックホールディングスの合弁会社である。持ち分比率は50:50であるが、パナソニックホールディングスは製品の製造・販売への関与を通じてケイミューを実質的に支配している為、子会社としている。
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