業界研究のやり方! オススメの本を厳選【就活/転職】

※この記事は内容に広告・プロモーションを含みます。

業界研究はいくつかのフェーズに分けることができます。ここでは各フェーズの説明と、オススメの本を紹介します。

広く浅くフェーズ(様々な業界を知る)

このフェーズの説明と進め方

世の中にはたくさんの業界があります。普段の生活では知る機会のない業界や、名前は知っていても何をしているか分からない業界もあるでしょう。また、業界の分け方によって、その見え方や理解度も変わってきます。

一口に金融業界と言っても銀行や保険、証券、リースなど様々な業界に分けられます。銀行はさらに、メガバンクや地方銀行、ネット銀行など、保険であれば生命保険や損害保険に分けられます。

まずは世の中に、どのような業界が存在しているのかを知る必要があります。このフェーズは広く浅く世の中を知っていく作業となります。

興味がない業界でも一度は目を通してみましょう。思わぬ発見が今後の人生を左右する可能性もあります。

例えば金融業界では、次のような新しい発見があるかも知れません。
・信用組合や信用金庫は銀行とは異なる
・暗号資産やフィンテックはすでに一大産業である

このフェーズで気になる業界をいくつかピックアップしてみましょう。もっと詳しく知りたいと思える業界に出会えると、このフェーズは終了です。次のフェーズに進みましょう。

このフェーズで有効な本「業界地図」

このフェーズでは「業界地図」というタイプの本を使うのが有効です。業界地図とは、業界の特徴や、その業界の企業の特色、業績、資本関係などが図解されている本です。1ページのほとんどが図であるため、読むというよりは見て理解する本です。

この分野における代表的な業界地図を2冊、ご紹介します。

◆ 会社四季報 業界地図
会社四季報や週刊東洋経済で有名な東洋経済新報社による業界地図です。182業界4,240社についてまとめられており、この数は年々増加しています。業界地図としては11年連続で売上No.1で、名実ともにこの分野を代表する1冊です。


◆ 日経 業界地図
日本を代表する経済紙である日本経済新聞社による業界地図です。181業界4,300の企業や団体についてまとめられています。2023年版は業界の数で「会社四季報 業界地図」に逆転を許したものの、企業や団体の数では引き続き凌駕しています。


いずれの業界地図もこの分野を代表する1冊であり、どちらかを買っておけば間違いはありません。値段も同じなので、黄色が好きだから、赤色が好きだからという理由で選んでも問題ありません。私は2冊とも購入し、見比べるという楽しみも味わっています。

深掘りフェーズ(業界を詳しく研究する)

このフェーズの説明と進め方

前の「広く浅くフェーズ」で見つけた気になる業界を、詳しく研究していく「深掘りフェーズ」です。ここでは、次のようなことを調べていきます。

・業界の将来性
・業界の収益力
・各企業の業績(ランキング)
・各企業の資本関係や提携関係
・業界の特徴

◆ 業界の将来性 とは
その業界が今後、発展していくのか、縮小していくのか知る必要があります。

業界の浮き沈みについて、カメラの話がよく語られます。2000年代、デジタルカメラの台頭により、それまで安定していたフイルムカメラの市場は急速に縮小しました。そのデジタルカメラも2010年代のスマートフォンの普及により、今までの面影はありません。

スマートフォンはガラケーも駆逐しました。このようなイノベーションによる急速な業界の成長や衰退の他に、予想可能な場合もあります。例えば半導体産業は中長期的に見て成長を続けると言われています。これは社会のデジタル化などで今後、より多くの半導体が必要になると見込まれるためです。

◆ 業界の収益力 とは
業界ごとの収益力には差があります。

例えば製造業の場合、医薬品メーカーや医療機器メーカーは収益性が高いと言えるでしょう。一方で、自動車部品メーカーは前述の2業界と比べると見劣りします。収益性は従業員の給与や安定に密接に関係します。

◆ 各企業の業績(ランキング)とは
多くの業界において、それぞれの企業は売上高でランキングされています。ゼネコンを例にとると次のようになります。

 【 2022年 3月期 売上高ランキング 】
1. 鹿島建設:2兆0,796億円
2. 大林組:1兆9,228億円
3. 大成建設:1兆5,432億円
4. 清水建設:1兆4,829億円

業界によっては売上高以外のランキングを用いる場合もあります。例えば、自動車メーカーでは自動車の販売台数、コンビニ業界では店舗数のランキングも重要な指標です。

どのようなランキングでも企業の順位に注目することで、各企業の特徴が理解しやすくなります。

◆ 各企業の資本関係や提携関係 とは
資本関係や提携関係を知ることで協業(協力)や競合(ライバル)の関係が見えてきます。

例えば自動車メーカーには次のような資本関係や提携関係があります。

【 資本関係 】
親会社:トヨタ自動車
子会社:ダイハツ工業、日野自動車など
【 提携関係 】
トヨタ自動車 – スズキ、マツダなど

エアコン業界には三菱電機と三菱重工という、旧三菱財閥出身の企業が2社存在します。両社は同じ三菱同士ですが、競合する関係にあります。

◆ 業界の特徴 とは
その業界特有の知っておくべき内容というものがあります。

例えば電力やガスの業界では、「自由化」と「脱炭素」というキーワードは避けて通れません。化粧品業界では外国人による「爆買い」や、リモートワークや自粛による「外出機会の減少」などが挙げられるでしょう。

歴史に特徴を持つ業界もあります。コンビニ業界は歴史の中で、おおむね大手3社に集約されました。一方、スーパーマーケットは長い歴史の中でも大手への集約が進まず、多くのローカル企業、中小企業が存在します。ドラッグストアはまさに大手への集約が進んでいる最中です。一見似ている業界ですが、このように業界の構造は大きく異なります。

このフェーズで有効な本「図解入門業界研究」「図解即戦力」

このフェーズで使える業界別の業界研究本は多く出版されています。いずれも各業界に特化し、業界の製品やサービス、ビジネスモデル、将来性、国内外の主要な企業などについて解説しています。

この分野における代表的な本を2冊、ご紹介します。この2冊の業界研究本は就活や転職活動だけでなく、その業界に所属してからも役立つという点でも優れています。

◆ 図解入門業界研究
秀和システムによる業界別の業界研究本です。例えばコンサル業界については、以下の本が出版されています。


コンサル業界以外に次のような多くの業界について出版されています。気になる業界の本も見つかるはずです。

・自動車業界
・不動産業界
・建設業界
・銀行業界
・半導体業界
・航空業界
・化学業界 など

◆ 図解即戦力
技術評論社による業界別の業界研究本です。こちらもコンサル業界の本を例に示しています。


コンサル業界以外に次のような多くの業界について出版されています。気になる業界の本も見つかるはずです。

・食品業界
・商社業界
・保険業界
・小売業界
・半導体業界
・化学業界 など

どちらもこの分野を代表する1冊であり、どちらかを買っておけば間違いはありません。2冊を比較して値段が安い方、出版が新しい方、良いレビューが多い方という買い方で問題ないでしょう。

私は出版が新しい方を選びます。本の最初から最後まで全てを読み込む必要はないと思います。疑問に思った点や興味を持った点、重要そうだと思った点のみピックアップして読むと、効率よく深掘りできます。

企業研究フェーズ(各企業を研究する)

ここまで来るとすでに各企業についての知識もある程度ついている状態になっています。

このフェーズでは、本よりもインターネットを使うのが効率的です。企業のwebサイトや社員のクチコミを集めたwebサイトなどで情報を収集することになります。

さらに、会社説明会やインターンシップへの参加、OB・OG訪問など足を使って、より詳細な情報をかき集めていく必要があります。

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