住友化学と住友ファーマ、田岡化学工業、田中化学研究所の関係

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住友化学は総合化学の大手で、近年の売上高は2兆円規模で推移している。グループ内に多数の上場する子会社や関連会社を持つが、ここではそのうちの4社(住友ファーマ、田岡化学工業、田中化学研究所、広栄化学)と住友化学の関係を見ていく(2021年3月時点)。

住友化学と住友ファーマ、田岡化学工業、田中化学研究所、広栄化学の資本関係

下の図に、住友化学と上場する4社の関係を示す(数字は議決権の所有割合)。※住友ファーマは2022年3月までの大日本住友製薬。

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「子会社」とは「親会社」が経営を支配している会社である。「関連会社」とは「その他の関係会社」が重要な影響を与えることができる子会社以外の会社である(詳細は文末)。

上述の上場会社4社と住友化学は、4社がいずれも子会社、住友化学が親会社という関係であり、親子上場(親会社と子会社が共に株式を上場をしている状態)となっている。

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住友ファーマと住友化学

住友ファーマは、準大手もしくは中堅製薬である。売上高は5,000億円規模で、国内ではエーザイや田辺三菱製薬と規模が近い。連結子会社の為、住友ファーマの売上高約5,000億円は、住友化学の売上高約2兆円の内数である(住友化学-住友ファーマ 間の内部取引は、相殺消去される)。

1897年に設立された大阪製薬が後に大日本製薬となり、1949年に上場。2005年に住友製薬と合併して大日本住友製薬が発足した。2022年4月に住友ファーマへ社名を変更し現在に至る。

田岡化学工業と住友化学

田岡化学工業は、接着剤や可塑剤から医農薬中間体を主力とする化学メーカーである。売上高は200億~300億円規模で、同様に住友化学の売上高の内数である。1919年に創業した田岡商店が1949年に大証に上場、1955年に住友化学工業(現 住友化学)が資本参加した。

田岡化学工業は住友化学の子会社であるが、次に示すように売上の多く(1/3~半分程度)を三菱ガス化学に依存している。

全売上高に占める各顧客向け売上の割合
【 2020年 3月期 】
・三菱ガス化学 33.3 %
・住友化学 11.1 %
【 2021年 3月期 】
・三菱ガス化学 44.9 %
・住友化学 11.8 %

田岡化学工業は田岡化学分析センターやインドの現地法人を子会社として抱える。

田中化学研究所と住友化学

田中化学研究所はリチウムイオン電池の正極材を主力とする化学メーカーである。売上高は200億円規模であるが、2017年3月期~2021年3月期までの5年間で最終黒字となったのは2018年3月期の1回のみである。

田中化学研究所は1957年に設立され、2004年に上場、2016年の第三者割当増資により住友化学の子会社となった。近年の電気自動車(EV)ブームで注目される企業の1つである。

広栄化学と住友化学

広栄化学は医農薬中間体などを主力とする化学メーカーで、売上高は200億円弱の規模である。1917年、広栄製薬として設立された。1950年に広栄化学工業と改称、2020年に現社名の広栄化学となった。

親会社と子会社、関連会社とは

「親会社」「子会社」もしくは「その他の関係会社」「関連会社」の関係を下の図に示す(数字は議決権の所有割合)。これらを全てまとめて「関係会社」と呼ぶ。

資本関係説明

基本的に、図に示す議決権の所有割合によって関係が決まることが多い。ただし、その会社の重要性や具体的な関係などを考慮する場合もあり、常に議決権の所有割合によって決まる訳ではない。

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