中部電力とミライズ、パワーグリッド、JERAの違いと関係

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中部電力は中部地方を営業の基盤とする、国内3位の電力会社である。ここでは中部電力と主要なグループ会社の関係と違いを見ていく(2022年3月時点)。

中部電力と中部電力ミライズ、中部電力パワーグリッド、JERAの資本関係

中部電力と中部電力ミライズ、中部電力パワーグリッド、JERAの資本関係を図に示す(数字は議決権の所有割合)。

chubuElectricPowerGroupRelations

「子会社」とは「親会社」が経営を支配している会社である。「関連会社」とは「その他の関係会社」が重要な影響を与えることができる子会社以外の会社である(詳細は文末)。

中部電力は自社の事業を、次の4つのセグメントで定義している。

・ミライズ
・パワーグリッド
・JERA
・その他

【 子会社 関連会社 一覧 】
中部電力 JERA

中部電力ミライズと中部電力

中部電力ミライズは中部電力の完全子会社であり、小売電気事業を営む。小売電気事業とは、一般家庭や工場、オフィスなどに電気を販売する事業を意味する。

中部電力ミライズは、セグメント「ミライズ」の中核をなす。セグメント「ミライズ」は中部電力グループにおいて、”ガス&パワーを中心とした総合エネルギーサービスの展開” を担当すると説明される。

セグメント「ミライズ」は中部電力ミライズの他、ダイヤモンドパワーや中電エナジーサービスなどの子会社、愛知クリーンエナジーなどの関連会社によって構成される。

中部電力パワーグリッドと中部電力

中部電力パワーグリッドは中部電力の完全子会社であり、送配電事業を営む。発電した電気を一般家庭や工場、オフィスなどに届ける設備を運営する事業を営む。power grid は日本語で、送電網という意味。

中部電力パワーグリッドはセグメント「パワーグリッド」の中核をなす。セグメント「パワーグリッド」は中部電力グループにおいて、”電力ネットワークサービスの提供” を担当すると説明される。

セグメント「パワーグリッド」は中部電力パワーグリッドの他、子会社である中電配電サポート、関連会社である新日本ヘリコプターによって構成される。

JERAと中部電力、東京電力HD

JERAは中部電力の関連会社であり、火力発電事業を営む。中部電力はJERAの議決権を50%所有する「その他の関係会社」である。JERAは単独で、セグメント「JERA」を構成する。セグメント「JERA」は中部電力グループにおいて、”燃料上流・調達から発電、電力・ガスの販売” を担当すると説明される。

議決権の残り50%は東京電力フュエル&パワーが所有し、こちらもJERAの「その他の関係会社」である。東京電力フュエル&パワーは東京電力ホールディングスの完全子会社である。

関連記事:東京電力とエナジーパートナー、パワーグリッドの関係と違い

JERAは国内最大の発電事業者である。しかし中部電力、東京電力HDのいずれの子会社でもないため、JERAの売上は両社の売上高に含まれない。

JERAは、常陸那珂ジェネレーションや知多エル・エヌ・ジー、JERAパワー武豊などを子会社として抱える。また相馬共同火力発電や常盤共同火力、鹿島共同火力などを関連会社としている。

中部電力の組織形態と法的分離

日本では2020年4月から、一般送配電事業と発電事業または小売電気事業の兼業を原則禁止としている。これに対応するため国内電力各社は機能の分離を行った(法的分離)。

この法的分離は大きく2つの形態によって行われた。上述のように中部電力は下の図、左側に示す形態であり、これは東京電力も同じである。

separationOfProductionAndDistributionOfPower

一方、関西電力や中国電力などは右側に示す形態となった。例えば、関西電力が送配電事業を分割し子会社とした関西電力送配電などである。

【 詳細記事 】
関西電力ときんでん、関西電力送配電の関係と違い
中国電力と中電工、中国電力ネットワークの違いと関係

親会社と子会社、関連会社とは

最後に「親会社」「子会社」もしくは「その他の関係会社」「関連会社」の関係を下の図に示す(数字は議決権の所有割合)。これらを全てまとめて「関係会社」と呼ぶ。

資本関係説明

基本的に、図に示す議決権の所有割合によって関係が決まることが多い。ただし、その会社の重要性や具体的な関係などを考慮する場合もあり、常に議決権の所有割合によって決まる訳ではない。

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