本田技研工業(ホンダ)は、世界7位の自動車メーカーであり、世界首位のオートバイメーカーでもある。トヨタと同様にケイレツを形成し、グループ内に自動車部品メーカーを抱える。
.ここでは、ホンダ系と言われる上場会社5社、テイエステック、ジーテクト、武蔵精密工業、エフシーシー(FCC)、エイチワンとホンダとの関係を見ていく(2021年3月期)。
ホンダとテイエステック、ジーテクト、武蔵精密工業、FCC、エイチワンの資本関係
下の図で、ホンダと5社の資本関係を示す(数字は議決権の所有割合)。
「子会社」とは「親会社」が経営を支配している会社である。「関連会社」とは「その他の関係会社」が重要な影響を与えることができる子会社以外の会社である(詳細は文末)。
図に示すようにホンダ系の上場会社5社とホンダは、5社がいずれもホンダの関連会社、ホンダは5社のその他の関係会社という関係である。ホンダ系と言われるが子会社ではない為、親子上場にはあたらない。
また、テイエステックの上場する関連会社として、今仙電機製作所が挙げられる。テイエステックが所有する今仙電機製作所の議決権の割合は34.8%である。
※関連記事:ホンダの子会社と関連会社 一覧
トヨタ系との比較
トヨタグループも同様の構造となっている。トヨタ系と言われる部品メーカーの上場会社としてデンソー、アイシン、ジェイテクト等が挙げられる。デンソー、アイシン、ジェイテクトはいずれもトヨタの関連会社、トヨタは3社のその他の関係会社という関係である。
ただし、上記のホンダ系5社の売上高は最も大きいテイエステックでも4,000億円程度、ジーテクトと武蔵精密工業が2,000億円程度である。これに対しトヨタ系はデンソーが5兆円程度、アイシンでも4兆円程度と、規模には大きな隔たりがある。
日産系との比較
日産の場合は、過去に大手部品メーカーであるカルソニックカンセイを傘下に擁していた。上述したホンダ系、トヨタ系と異なり、カルソニックカンセイは関連会社ではなく子会社であった。現在は売却し、マレリと社名を変更している。
※関連記事:マレリ(旧カルソニックカンセイ)と東京ラヂエーター製造の関係
日立アステモとの関係
過去にホンダ系の主力としてショーワ、ケーヒン、日信工業という企業が存在した。これら3社も同様にホンダの関連会社であった。3社は2021年に、日立製作所の子会社であった日立オートモティブシステムズと合併し、日立アステモとなっている。
詳細記事:ホンダと日立製作所と日立Astemo(日立アステモ)の関係
また、ホンダはユタカ技研と八千代工業を子会社として所有している。この2社は上場会社であり、親子上場となっている。
親会社と子会社、関連会社とは
最後に「親会社」「子会社」もしくは「その他の関係会社」「関連会社」の関係を下の図に示す(数字は議決権の所有割合)。これらを全てまとめて「関係会社」と呼ぶ。
基本的に、図に示す議決権の所有割合によって関係が決まることが多い。ただし、その会社の重要性や具体的な関係などを考慮する場合もあり、常に議決権の所有割合によって決まる訳ではない。