信越化学とSUMCO、サムコの違いと比較【半導体関連メーカー】

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信越化学とSUMCO、サムコはいずれも半導体産業で事業を展開する日本のメーカーである。ここではSUMCOとサムコの違い、信越化学とSUMCOの違いと比較を見ていく。

SUMCOとサムコの違い

SUMCOは株式会社SUMCO(読み:サムコ)といい、半導体メーカー向けシリコンウェハの製造・販売を行う金属素材メーカーである。「高純度シリコン事業」のみの単一セグメントで事業を展開する上場会社(東証プライム)である。売上高で3,000億円の規模をもつ。

サムコはサムコ株式会社といい、半導体などの電子部品の製造装置を製造・販売する装置メーカーである。売上高は50~60億円規模の上場会社(東証プライム)である。サムコは下記のように区分される製品を展開する。

・CVD装置
・エッチング装置
・洗浄装置
・その他

両社はともに「サムコ」と読む社名を持ち、半導体産業で事業を展開している。サムコ株式会社は2006年、株式会社SUMCOを被告として商標権に関する訴えを起こしている。

この訴訟は2008年に和解が成立し、終結した。この和解には、株式会社SUMCOが自社を指して「サムコ」と表記しないことや、株式会社SUMCOがサムコ株式会社に和解金を支払うこと等が盛り込まれている。

なお、サムコ株式会社の英文社名は「SAMCO INC.」、株式会社SUMCOの英文社名は「SUMCO CORPORATION」と表記する。

信越化学とSUMCOの違い

信越化学とSUMCOはともにシリコンウェハ市場で最大手級の日本のメーカーである。ここからは信越化学とSUMCOのシリコンウェハ事業について見ていく(2021年12月時点)。

信越化学は1926年、信濃電気と日本窒素肥料の共同出資により、信越窒素肥料として発足した上場会社(東証プライム)である。

SUMCOは1997年、住友金属(現 日本製鉄)と三菱マテリアルの50:50の出資により設立された。現在もSUMCOの代表取締役4名全員が、住友金属または三菱金属(現 三菱マテリアル)の出身である。

信越化学とSUMCOのシリコンウェハを扱う事業

信越化学はシリコンウェハを扱う事業を含め、複数の事業を展開する。2021年3月期(FY20)からは下記4セグメントとなっており、シリコンウェハは、(3)電子材料事業に含まれる。

1)生活環境基盤材料事業
2)電子材料事業
3)機能材料事業
4)加工・商事・技術サービス事業

それ以前は6セグメントと定義され、シリコンウェハは半導体シリコン事業に含まれた。一方のSUMCOは住友金属と三菱マテリアルのシリコンウェハ事業を統合した、シリコンウェハ専業メーカーである。

※関連記事:信越化学工業の子会社と関連会社 一覧

信越化学とSUMCOの売上高 推移 比較

信越化学のシリコンウェハに関する事業とSUMCOの売上高推移を示す。前述のように、FY20よりセグメントが変更されたため、単純比較は出来なくなっている。

ShinetsuVsSumcoRevenueGraph

ShinetsuVsSumcoRevenue

信越化学の全社売上高のうち、現在の電子材料事業が占める割合は30~40%程度である。また、従来の半導体シリコン事業が占める割合は25%程度であった。

信越化学とSUMCOの利益 推移 比較

次に示すのは、信越化学のシリコンウェハに関する事業とSUMCOの利益の推移を示す。信越化学は営業利益、SUMCOは経常利益の値を用いている。

ShinetsuVsSumcoProfitGraph

ShinetsuVsSumcoProfit

両社で営業利益と経常利益を比べている為、単純な比較は出来ない。利益率を見てみると、信越化学のシリコンウェハに関する事業は常に売上高営業利益率30%以上である。一方、SUMCOは20%前後の売上高経常利益率となっている。

信越化学とSUMCOの評価と給与水準の比較

従業員として働く上での2社の違いを比較する。

社員・元社員による評価の比較

就活用の口コミサイト「就活会議」によると、信越化学とSUMCOの社員・元社員による会社評価は次の通り。総合評価(全ての項目の平均)では、SUMCOが信越化学を上回る評価となっている。

各項目ごとに見ると、「やりがい」で信越化学の評価が良い反面、「女性の働きやすさ」や「退職理由」でSUMCOに差を付けられている。

信越化学 SUMCO
総合評価 3.32 3.51
年収・評価 2.9 3.0
やりがい 3.7 2.6
スキルアップ 3.5 3.2
福利厚生 3.7 3.5
成長・将来性 4.1 3.8
社員・管理職 3.2 4.2
ワークライフ 3.8 4.4
女性の働きやすさ 2.5 3.7
入社後のギャップ 2.9 2.6
退職理由 2.9 4.1

後述のように平均年収では信越化学が上回っているが、「年収・評価」では若干だがSUMCOが上回っている。詳細な口コミや評価の内容は以下の出典サイトにて。

【出典】
企業の口コミ、ES・面接情報が見れる「就活会議」
・就活生向け。
・社員や元社員・内定者の口コミや評価を掲載。
・無料、ログイン必要。

信越化学とSUMCO、サムコの給与水準 比較

信越化学とSUMCO、サムコの平均年齢と平均年間給与は次の通り。信越化学は製造業としては高い給与水準となっている。ただし、信越化学の従業員数(単体)が売上高(連結)で圧倒するSUMCOよりも少ないことに留意する必要がある。

【 信越化学 】
従業員数:3,341
平均年齢:42.2歳
平均年収:855万円

【 SUMCO 】
従業員数:4,168
平均年齢:43.6歳
平均年収:656万円

【 サムコ 】
従業員数:178
平均年齢:40.9歳
平均年収:605万円

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