ここでは、化学メーカーである三菱ケミカルグループと三菱ガス化学(三菱瓦斯化学)、非鉄金属メーカーである三菱マテリアルの違いと関係を見ていく(2022年3月時点)。
3社の資本関係
これら3社に特筆すべき資本関係は存在しない。
三菱ケミカルグループの大株主は次の通り。三菱ケミカルグループに親会社は存在しない。
名称 | 所有株式数の割合(%) |
日本マスタートラスト信託銀行株式会社信託口 | 16.13 |
SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT | 8.62 |
株式会社日本カストディ銀行信託口 | 5.80 |
明治安田生命保険相互会社 | 4.52 |
日本生命保険相互会社 | 2.99 |
三菱ガス化学の大株主は次の通り。三菱ガス化学に親会社は存在しない。
名称 | 所有株式数の割合(%) |
日本マスタートラスト信託銀行株式会社 | 16.90 |
株式会社日本カストディ銀行 | 8.40 |
明治安田生命保険相互会社 | 4.23 |
日本生命保険相互会社 | 3.52 |
農林中央金庫 | 2.42 |
三菱マテリアルの大株主は次の通り。三菱マテリアルに親会社は存在しない。
名称 | 所有株式数の割合(%) |
日本マスタートラスト信託銀行株式会社 | 16.03 |
株式会社日本カストディ銀行 | 6.70 |
NORTHERN TRUST CO. (AVFC) RE SILCHESTER INTERNATIONAL INVESTORS INTERNATIONAL VALUE EQUITY TRUST | 6.46 |
NORTHERN TRUST CO.(AVFC) RE U.S. TAX EXEMPTED PENSION FUNDS | 3.21 |
明治安田生命保険相互会社 | 2.37 |
3社の事業内容
三菱ケミカルグループの事業
三菱ケミカルグループはグループとして、次の4つのセグメントを展開する。
・ケミカルズ
・産業ガス
・ヘルスケア
三菱ケミカルグループは直接出資の子会社として次の4社を擁する。それぞれが上述のセグメントで事業を展開する。
三菱ケミカル
セグメント「機能商品」「ケミカルズ」「その他」を展開する。三菱ケミカルは、ジェイフィルムやジャパンコーティングレジン、三菱ケミカルインフラテックなどを子会社として抱える。
また、三菱エンジニアリングプラスチックスなどを関連会社として抱える。三菱エンジニアリングプラスチックスは三菱ガス化学の関連会社でもある。
田辺三菱製薬
セグメント「ヘルスケア」において、医薬品を展開する。田辺三菱製薬は、田辺三菱製薬工場などを子会社として抱える。
生命科学インスティテュート
セグメント「ヘルスケア」において、ライフサイエンスを展開する。
日本酸素ホールディングス
セグメント「産業ガス」を展開する。日本酸素ホールディングスは、大陽日酸などを子会社として抱える。
※関連記事:三菱ケミカルグループの子会社と関連会社 一覧
三菱ガス化学の事業
三菱ガス化学はグループとして、次の3つのセグメントを展開する。
・機能化学品事業部門
・その他の事業
基礎化学品事業部門では、メタノール、メタノール・アンモニア系化学品、ライフサイエンス系製品などを展開する。
基礎化学品事業部門は、日本ファインケムや東邦アーステック、日本ユピカなどの子会社が属する。また、日本トリニダードメタノールなどの関連会社が属する。
機能化学品事業部門では、無機化学品、プラスチックレンズモノマー、エンジニアリングプラスチックスなどを展開する。
機能化学品事業部門は、三永純化やMGCフィルシートなどの子会社が属する。また三菱ケミカルグループの関連会社である三菱エンジニアリングプラスチックスや韓国エンジニアリングプラスチックスなどの関連会社が属する。
その他の事業では、上記に属さない不動産事業などを展開する。
※関連記事:三菱ガス化学の子会社と関連会社 一覧
三菱マテリアルの事業
三菱マテリアルはグループとして、次の6つのセグメントを展開する。
・加工事業
・金属事業
・セメント事業
・環境・エネルギー事業
・その他の事業
詳細は『三菱マテリアルって何の会社?事業内容と企業研究』にて。
【 関連記事 】
三菱マテリアルの子会社と関連会社 一覧
住友電工と三菱マテリアル、古河電工などの社長、出身大学(学歴)と経歴
3社の沿革
三菱ケミカルグループの沿革
2005年、三菱化学と三菱ウェルファーマは、親会社として三菱ケミカルホールディングスを設立し、両社はその傘下に入った。2007年、三菱化学は三菱樹脂を買収し完全子会社とする。2008年、三菱ウェルファーマは田辺製薬と合併し、田辺三菱製薬となった。
2010年、三菱レイヨンを買収し完全子会社とする。2014年、グループ内のヘルスケアソリューション事業を統合し、生命科学インスティテュートを設立。
2017年、化学、樹脂、レイヨンが合併し三菱ケミカルとなる。
2020年に田辺三菱製薬を完全子会社とし、田辺三菱製薬は上場を廃止した。同年、大陽日酸が持株会社制へ移行し、日本酸素ホールディングスが設立された。
(新設子会社)→ 大陽日酸(新)
2022年7月、三菱ケミカルホールディングスは三菱ケミカルグループと社名を変更し、現在に至る。
三菱ガス化学の沿革
三菱ガス化学は1951年、日本瓦斯化学工業として設立された。1954年に東証に上場。1971年、三菱江戸川化学と合併し、社名を現在の三菱瓦斯化学へ変更した。1994年、三菱化成(現 三菱ケミカル)と合弁で三菱エンジニアリングプラスチックスを設立する。
2000年、社内カンパニー制を発足する。2020年委はコーポレート部門とカンパニー部門を6つの部門に整理統合し、現在に至る。
三菱マテリアルの沿革
詳細は『三菱マテリアルって何の会社?事業内容と企業研究』にて。