積水化学グループは複数の上場会社を抱える。中核会社である積水化学工業の他に、積水化成品工業、積水樹脂、日本興業である。ここでは積水化学グループ上場4社の資本関係を見ていく(2022年3月時点)。
積水化学工業と積水化成品工業、積水樹脂、日本興業の資本関係
積水化学グループを形成する上場会社の関係を下の図に示す(数字は議決権の所有割合)。
「子会社」とは「親会社」が経営を支配している会社である。「関連会社」とは「その他の関係会社」が重要な影響を与えることができる子会社以外の会社である(詳細は文末)。この4社に親会社と子会社の関係は存在しない。
積水化学はグループとして、次の4つのセグメントで事業を展開する。セグメント「住宅」が最大事業であり、積水化学の売上高の半分近くを占める(42%:2022年3月期)。
・環境・ライフライン
・高機能プラスチックス
・メディカル
最大セグメント「住宅」はセキスイハイムとして事業を展開する。積水ハウスとの違いについては後述。
※関連記事:積水化学の子会社と関連会社 一覧
積水化成品工業と積水化学工業
積水化成品と積水化学は、積水化成品が関連会社、積水化学がその他の関係会社という関係である。積水化成品はグループとして、次の2つのセグメントで事業を展開する。
・工業分野
積水化成品は1948年、文化企業株式会社として設立された。1963年に積水スポンジ工業、1969年に積水化成品工業となる。1973年に、東証二部に上場した。現在は東証プライムへ上場している。
積水化成品は、積水化成品北海道、積水化成品関西などを子会社として抱える。
積水樹脂と積水化学工業
積水樹脂と積水化学は、積水樹脂が関連会社、積水化学がその他の関係会社という関係である。積水樹脂はグループとして、次の2つのセグメントで事業を展開する。
・民間分野
積水樹脂は1954年、アドヘヤ紙工としてアドヘヤ封筒の製造販売を開始した。その後、アドヘヤ化工、積水アドヘヤ工業を経て、1970年に現在の商号である積水樹脂となる。1971年に大証2部に上場、1986年には東証1部へ上場を果たした。
積水樹脂は、スペーシアや積水樹脂キャップシステム、積水樹脂商事などを子会社として抱える。また日本興業以外に、近藤化学工業などを関連会社としている。
日本興業と積水樹脂
日本興業と積水樹脂は、日本興業が関連会社、積水樹脂がその他の関係会社という関係である。日本興業はグループとして、次の3つのセグメントで事業を展開する。
・景観資材事業
・エクステリア事業
日本興業は1956年、香川ブロック工業として設立された。1969年に日本興業と商号を変更している。2004年にジャスダックに上場した。
日本興業は、ニッコーエクステリア、サンキャリーを子会社として抱える。日本興業グループは、日本興業と子会社2社で構成される。
積水化学の主要な子会社
積水化学の主要な子会社として、積水メディカル、積水ポリマテックが挙げられる。積水メディカルは積水化学の完全子会社(発行済株式の100%を所有)である。積水ポリマテックは議決権の91%を積水化学が、9%を稲畑産業が所有する。
その他、徳山積水工業、セキスイハイム工業、積水成型工業などを子会社として抱える。また上述の関連会社の他に、住化積水フィルムやセキスイハイム東海、茨城セキスイハイムなどを関連会社としている。
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セキスイハイムと積水ハウス
上場会社である積水ハウスの出自は積水化学である。現在、積水化学が所有する積水ハウスの株式の割合は5%程度であり、積水ハウスは積水化学から独立した企業グループとなっている。
積水化学は積水ハウスに対して、標章(商標を含む)の使用を許諾しており、対価を得ている。現在の積水化学グループが展開する住宅事業はセキスイハイムであり、積水ハウスとは異なる。
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親会社と子会社、関連会社とは
「親会社」「子会社」もしくは「その他の関係会社」「関連会社」の関係を下の図に示す(数字は議決権の所有割合)。これらを全てまとめて「関係会社」と呼ぶ。
基本的に、図に示す議決権の所有割合によって関係が決まることが多い。ただし、その会社の重要性や具体的な関係などを考慮する場合もあり、常に議決権の所有割合によって決まる訳ではない。
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