AIを使って自動車メーカーの企業研究をやってみた

最近流行りの対話型AI「ChatGPT」を使って自動車メーカーの企業研究をやってみた。驚くべき進歩をとげるAIが、どこまでこの分野で使えるのかを試す。

※ChatGPTとは、OpenAIによって開発された対話型のAIチャットボット。

トヨタ自動車の企業研究

「トヨタ自動車の企業研究をしてください。」という質問に対して、次のような回答がChatGPTより返ってきた。

トヨタ自動車は、日本の自動車メーカーであり、世界最大の自動車メーカーの一つです。1937年に設立され、本社は日本の豊田市にあります。トヨタは主に乗用車、トラック、バス、農業機械などを製造・販売しています。また、トヨタは自動車部門以外にも、重機やロボットなどの電気機器や、リゾート施設なども所有・運営しています。

トヨタは高品質、低燃費、省エネルギーな車を生産しており、特にハイブリッド車や電気自動車に取り組んでいます。さらに、トヨタは自動運転技術にも取り組んでおり、自動運転車の開発・販売も行っています。

経営方針は「トヨタ・ワイヤード」であり、「販売、経営、社会貢献」の3つの要素をバランスよく考え、展開しています。

第1段落
トヨタ自動車が豊田自動織機製作所から分離独立し設立されたのは1937年である。また、本社は愛知県豊田市にあるため、ChatGPTの回答は正しい。

トヨタ自動車は乗用車、トラック、バスを製造・販売しており、回答は正しい。ChatGPTの回答によると、「農業機械」も製造・販売していることになっている。トヨタ自動車の商品ラインナップを見る限り、「農業機械」が何を指しているのか不明である。

第2段落
ここの回答に事実と異なる点は見つけられない。ただし、ホンダや日産自動車にも同様のことが言えそうである。トヨタ自動車の企業研究と考えると、物足りない。

第3段落
ChatGPTの回答にある経営方針「トヨタ・ワイヤード」という言葉は調べても出てこない。トヨタ自動車は経営の基本方針を「トヨタ基本理念」として7つの項目を掲げている。また「トヨタ基本理念」とは別に「トヨタフィロソフィー」をまとめている。

いずれにも「販売、経営、社会貢献」の3つの要素は記載されていない。

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本田技研工業の企業研究

「本田技研工業の企業研究をしてください。」という質問に対して、次のような回答がChatGPTより返ってきた。

本田技研工業は、日本の自動車メーカーであり、世界最大の自動車メーカーの一つです。1948年に設立され、本社は日本の埼玉県にあります。本田は主に乗用車、バイク、航空機などを製造・販売しています。

本田は高性能なエンジンを開発しており、スーパーカーやレーシングカーなどにも使用されています。また、省エネルギー・環境に配慮した車を生産しており、ハイブリッド車や電気自動車に取り組んでいます。本田は自動運転技術にも取り組んでおり、自動運転車の開発・販売も行っています。

経営方針は「The Power of Dreams」であり、「Dream」「Challenge」「Create」の3つの要素をバランスよく考え、展開しています。

第1段落
本田技研工業は1948年に設立され、本社は東京都港区南青山である。よって「本社は日本の埼玉県にあります」というChatGPTの回答は誤り。商品ラインナップについての回答「乗用車、バイク、航空機」は正しい。

第2段落
「高性能なエンジンを開発」というChatGPTの回答は、ホンダの特徴をよく表している。「スーパーカーやレーシングカー」もホンダのアイデンティティである。ただし、それ以降の文章はほとんどトヨタ自動車の場合と同様の内容である。

第3段落
「The Power of Dreams」は経営方針ではなく、ホンダのグローバル・ブランドスローガンである。

ホンダはグループとして、「人間尊重」と「三つの喜び」(買う喜び、売る喜び、創る喜び)を基本理念としている。また、2030年に向けた全社ビジョンとして「すべての人に、“生活の可能性が拡がる喜び”を提供する」が定められている。

いずれにも「Dream」「Challenge」「Create」の3つの要素は記載されていない。

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日産自動車の企業研究

「日産自動車の企業研究をしてください。」という質問に対して、次のような回答がChatGPTより返ってきた。

日産自動車は、日本の自動車メーカーであり、世界最大の自動車メーカーの一つです。1933年に設立され、本社は日本の東京都にあります。日産は主に乗用車、トラック、バス、農業機械などを製造・販売しています。また、日産は様々な産業に参入しており、重機、船舶、鉄道車両などの電気機器や、自動車部品なども所有・運営しています。

日産は高品質で燃費の良い車を生産しており、特にハイブリッド車や電気自動車に取り組んでいます。さらに、日産は自動運転技術にも取り組んでおり、自動運転車の開発・販売も行っています。

経営方針は「Nissan M.O.V.E to 2022」であり、「販売、経営、社会貢献」の3つの要素をバランスよく考え、展開しています。

第1段落
日産自動車は1933年に設立され、本社は横浜市である。よって「本社は日本の東京都にあります」というChatGPTの回答は誤り。日産自動車は乗用車、トラック、バスを製造・販売しており、正しい。ただトヨタ自動車と同じく、「農業機械」が何を指しているのか不明である。

第2段落
トヨタ自動車やホンダの場合と同様の内容であり、日産自動車の特徴を表していない。

第3段落
「Nissan M.O.V.E. to 2022」日産の中期経営計画であり、経営方針ではない。

日産自動車は「人々の生活を豊かに。イノベーションをドライブし続ける。」というコーポレートパーパスを定めている。また、長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」では、「共に切り拓く モビリティとその先へ」をスローガンとしている。

いずれにも「販売、経営、社会貢献」の3つの要素は記載されていない。ChatGPTのこの回答はトヨタ自動車と同一である。

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まとめ

日本の大手自動車メーカー3社の企業研究を対話型AI「ChatGPT」を使ってやってみた。ChatGPTの回答には多くの誤りが含まれており、企業研究として使えるレベルには達していない。

就職活動や転職活動の際、ChatGPTを使った企業研究をおこなうことは、危険である。

ただ、全く知らない業界の企業について企業研究を行う場合、予備調査としてChatGPTを用いることが出来るかも知れない。ChatGPTから回答を得た後、その回答の正誤を調べながら、企業への理解を深めていくという方法である。

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