東京エレクトロンと東京エレクトロンデバイスはいずれも東証に上場する企業である。東京エレクトロンは半導体製造装置を製造する世界的なメーカー、東京エレクトロンデバイスは半導体商社である。
ここでは、東京エレクトロンと東京エレクトロンデバイス、TBSホールディングスの関係を見ていく(2022年3月時点)。
東京エレクトロンと東京エレクトロンデバイスの資本関係
東京エレクトロンと東京エレクトロンデバイスの資本関係を下の図に示す(数字は議決権の所有割合)。
「子会社」とは「親会社」が経営を支配している会社である。「関連会社」とは「その他の関係会社」が重要な影響を与えることができる子会社以外の会社である(詳細は文末)。
資本関係と経緯
東京エレクトロンと東京エレクトロンデバイスは、東京エレクトロンがその他の関係会社、東京エレクトロンデバイスが関連会社という関係である。親会社、子会社の関係ではない。
東京エレクトロンデバイスは2003年に東証に上場している。この時点では、東京エレクトロンが親会社、東京エレクトロンデバイスが子会社という関係であり、親子上場であった。
2014年、東京エレクトロンが株式の一部を売却することで、東京エレクトロンデバイスは東京エレクトロンの関連会社となる。これにより親子上場は解消され、現在に至る。
子会社と関連会社
上の図では東京エレクトロンの子会社として、東京エレクトロン九州を例示した。その他にも東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ、東京エレクトロン宮城などを子会社として抱える。
東京エレクトロンデバイスは、ファーストや東京エレクトロンデバイス長崎などを子会社として抱える。また、カナダのFidus System を関連会社としている。
東京エレクトロンと東京エレクトロンデバイスの比較
業績の比較
2021年3月期の両社の売上高はそれぞれ下記に示すとおりであった。関連会社であるため、東京エレクトロンデバイスの売上高は、東京エレクトロンの売上高に含まれない。
東京エレクトロン: 1兆3,991億円
東京エレクトロンデバイス: 1,432億円
東京エレクトロン: 2兆38億円
東京エレクトロンデバイス: 1,799億円
従業員の給与水準 比較
東京エレクトロンと東京エレクトロンデバイスの従業員の給与水準は次の通り。ただし、東京エレクトロンの従業員数(単体)が売上高(連結)と比べ圧倒的に少ないことに留意する必要がある。
【 東京エレクトロン 】
従業員数:1,771
平均年齢:44.0
平均年間給与:1,285万円
【 東京エレクトロンデバイス 】
従業員数:971
平均年齢:45.0
平均年間給与:872万円
東京エレクトロンとTBSの関係
東京エレクトロンは1963年、東京放送の全額出資子会社である東京エレクトロン研究所として設立された。東京放送は現在のTBSホールディングスである。東京エレクトロン研究所は1978年に東京エレクトロンとなり、1980年には東証二部に上場を果たした。
現在、TBSホールディングスと東京エレクトロンは関係会社の関係にはない。しかし今でもTBSホールディングスは東京エレクトロンの第4位の大株主として名を連ねている。
大株主の名称 | 所有株式数の割合(%) |
日本マスタートラスト信託銀行 株式会社(信託口) | 26.87 |
株式会社日本カストディ銀行(信託口) | 8.78 |
ジェーピー モルガン チェース バンク 385632 | 5.20 |
株式会社TBSホールディングス | 3.71 |
株式会社日本カストディ銀行(証券投資信託口) | 1.90 |
ステート ストリート バンク ウェスト クライアント トリーティー 505234 | 1.65 |
親会社と子会社、関連会社とは
「親会社」「子会社」もしくは「その他の関係会社」「関連会社」の関係を下の図に示す(数字は議決権の所有割合)。これらを全てまとめて「関係会社」と呼ぶ。
基本的に、図に示す議決権の所有割合によって関係が決まることが多い。ただし、その会社の重要性や具体的な関係などを考慮する場合もあり、常に議決権の所有割合によって決まる訳ではない。
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