ファンケルとキリン、アテニアの関係と違い

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キリンホールディングス(HD)はビールの国内大手、ファンケルは通販を主力とする化粧品メーカーである。ここでは、ファンケルとキリン、アテニアの関係と違いを見ていく(2021年12月時点)。

ファンケルとキリン、アテニアの資本関係

ファンケルとキリンHD、アテニアの資本関係を図に示す。

kirin-fancl-attenir-relationship

「子会社」とは「親会社」が経営を支配している会社である。「関連会社」とは「その他の関係会社」が重要な影響を与えることができる子会社以外の会社である(詳細は文末)。

キリンとファンケル

キリンHDとファンケルは、キリンHDがその他の関係会社、ファンケルが関連会社という関係である。キリンHDとファンケルは2019年、資本業務提携を締結し、ファンケルがキリンHDの傘下に入る形となった。

キリンHDは次の5つのセグメントで事業を展開する。ファンケルはセグメント「その他」に属する。

・国内ビール・スピリッツ
・国内飲料
・オセアニア酒類
・医薬
その他

キリンHDのセグメント「国内ビール・スピリッツ」には麒麟麦酒(キリンビール)、「国内飲料」にはキリンビバレッジ、「医薬」には協和キリンなどの子会社が属する。

キリンとファンケルの共同開発、BASE(ベース)

資本業務提携を締結したキリンHDとファンケルの最初の共同開発商品として「キリン×ファンケル BASE ピーチ&ザクロ」が発売された(2020年)。

食品メーカーとして「安全・安心な飲料を提供」してきたキリンHD。化粧品メーカーとして「健康や美容に向き合ってきた」ファンケル。この両社の強みを活かした「新発想の商品」とされている。

この他、キリングループ各社とファンケルとの共同研究の成果は、ファンケルの化粧品や栄養補助食品に反映されている。例えば、キリンの独自素材「熟成ホップエキス」に角栓を除去する機能があることが共同研究で発見された。これはファンケルの「マイルドクレンジングオイル」に配合されリニューアル発売された。

このような共同研究、共同開発に引き続き取り組む他、ファンケルの強みである通信販売の知見をキリングループで活用する。

ファンケルとアテニア

ファンケルとアテニアは、ファンケルが親会社、アテニアが子会社という関係である。1989年に設立されたアテニアは、1991年にファンケルにより完全子会社化された。アテニアは、ファンケルの最大の子会社である。

ファンケルは次の3つのセグメントで事業を展開する。アテニアは3つのセグメント全てに属する。

・化粧品関連事業
・栄養補助食品関連事業
・その他関連事業

ファンケルの化粧品関連事業

化粧品関連事業において、ファンケルとアテニアは化粧品を販売する。両社が販売する化粧品は、ファンケルの子会社であるファンケル美健が製造する。

この他、子会社であるbosciaはグループ外の企業に製造委託した化粧品を販売する。ニコスタービューテックとファンケルラボはOEM化粧品を販売する。

ファンケル化粧品(FANCL)の売上が化粧品関連事業の7割を占める(588億円に対して427億円)。アテニア化粧品(Attenir)は2割の137億円を売り上げる(いずれも2022年3月期)。

化粧品関連事業の51%が通信販売による売上で、店舗販売は22%に留まる。

ファンケルの栄養補助食品関連事業

栄養補助食品関連事業において、ファンケルとアテニアは栄養補助食品を販売する。化粧品関連事業と同様、両社が販売する栄養補助食品は、ファンケル美健が製造する。

栄養補助食品関連事業の45%が通信販売による売上である。

ファンケルのその他関連事業

その他関連事業において、ファンケルはグループ外の企業から仕入れた肌着類や、ファンケル美健が製造した発芽米を販売する。ファンケルとアテニアは、グループ外の企業などから仕入れた雑貨・装身具類、青汁を販売する。

その他関連事業の売上のうち、発芽米が3割、青汁が3割を占める。

親会社と子会社、関連会社とは

「親会社」「子会社」もしくは「その他の関係会社」「関連会社」の関係を下の図に示す(数字は議決権の所有割合)。これらを全てまとめて「関係会社」と呼ぶ。

資本関係説明

基本的に、図に示す議決権の所有割合によって関係が決まることが多い。ただし、その会社の重要性や具体的な関係などを考慮する場合もあり、常に議決権の所有割合によって決まる訳ではない。

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