信越化学工業は塩化ビニル樹脂や半導体シリコンウエハで世界トップの企業であり、日本を代表する高収益企業である。ここでは信越化学グループに属する上場会社の資本関係を見ていく(2021年3月時点)。
信越化学と信越ポリマー、三益半導体工業の資本関係
信越化学グループを形成する上場会社の資本関係を下の図に示す(数字は議決権の所有割合)。
「子会社」とは「親会社」が経営を支配している会社である。「関連会社」とは「その他の関係会社」が重要な影響を与えることができる子会社以外の会社である(詳細は文末)。
信越ポリマーと信越化学
信越ポリマーと信越化学は、信越ポリマーが子会社、信越化学が親会社という関係である。信越ポリマー、信越化学ともに上場会社であるため、親子上場の状態となっている。
信越ポリマーは1960年、信越化学の全額出資により設立された。1983年に東証2部へ上場し、その後現在に至る。信越ポリマーは、信越ファインテックなど14社を子会社として抱えている。
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三益半導体工業と信越化学
三益半導体工業と信越化学は、三益半導体工業が関連会社、信越化学がその他の関係会社という関係である。三益半導体工業は売上の多くを信越化学グループに依存している。全売上高に占める信越化学グループ向けの割合は2020年5月期で58.5%、2021年5月期で57.3%と半分以上となった。
また、グループ外ではあるが日立ハイテクへの依存も大きい。2020年5月期で16.9%、2021年5月期で15.5%が全売上高に占める日立ハイテク向けの割合である。
三益半導体工業は、親会社や子会社、関連会社を持たない。三益半導体工業の関係会社は、その他の関係会社である信越化学1社である。
関連記事:信越化学とSUMCOの違いと比較
親会社と子会社、関連会社とは
最後に「親会社」「子会社」もしくは「その他の関係会社」「関連会社」の関係を下の図に示す(数字は議決権の所有割合)。これらを全てまとめて「関係会社」と呼ぶ。
基本的に、図に示す議決権の所有割合によって関係が決まることが多い。ただし、その会社の重要性や具体的な関係などを考慮する場合もあり、常に議決権の所有割合によって決まる訳ではない。
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