non-GAAP指標とは、具体的な事例も

GAAPというのはGenerally accepted accounting principlesの略称で「一般に公正妥当と認められた会計原則」と訳す。これは日本の会計基準や米国会計基準、国際会計基準(IFRS)などのことで、特に日本の会計基準をJ-GAAP、米国会計基準をUS-GAAPと呼ぶこともある。

ここでは就活生や新入社員を含む若手社員向けに、non-GAAP指標(非GAAP指標)についてやさしく解説する。また具体例も示す(2021年3月時点)。

non-GAAPというのはGAAPではないという意味であり、non-GAAP指標というとGAAPによって定められた指標ではないという意味になる。例えば一般に用いられるEBITDAもnon-GAAP指標の1つである(EBITDAは利払い前・税引き前・減価償却前の利益の意)。

具体例1 武田薬品工業

武田薬品工業(武田薬品)は、Core(コア)という言葉を用いたnon-GAAP指標を用いている。Core営業利益、Core当期利益という具合である。Core営業利益は、国際会計基準(IFRS)の純利益から法人所得税費用等々の本業に起因しない事象を控除して算出している。

武田薬品の国際会計基準(IFRS)による営業利益、営業利益率、当期利益とCore営業利益、Core営業利益率、Core当期利益の比較は下記の通り。

・営業利益(2020年3月期 → 2021年3月期)
IFRS:1,004 億円 → 5,093 億円
Core:9,622 億円 → 9,679 億円

・営業利益率(2020年3月期 → 2021年3月期)
IFRS:3.1 % → 15.9 %
Core:29.2 % → 30.3 %

・当期利益(2020年3月期 → 2021年3月期)
IFRS:442 億円 → 3,760 億円
Core:6,022 億円 → 6,555 億円

上記の2期を見ると、全ての項目においてIFRSによる営業利益、営業利益率、当期利益よりもnon-GAAP指標の方が良い数字となっている。

具体例2 ルネサスエレクトロニクス

ルネサスエレクトロニクス(ルネサス)は、Non-GAAP売上総利益とNon-GAAP営業利益という2つのnon-GAAP指標を用いている。それぞれIFRSの売上総利益と営業利益から「非経常的な項目やその他特定の調整項目を一定のルールに基づいて控除もしくは調整したもの」と説明される。

ルネサスのIFRSによる売上総利益、営業利益とNon-GAAP売上総利益、Non-GAAP営業利益の比較は下記の通り。

・売上総利益(2020年12月期 → 2021年12月期)
IFRS:3,357 億円 → 4,964 億円
non-GAAP:3,387 億円 → 5,289 億円

・営業利益(2020年12月期 → 2021年12月期)
IFRS:651 億円 → 1,836 億円
non-GAAP:1,375 億円 → 2,966 億円

上記の2期を見ると、ルネサスの場合も全ての項目においてIFRSによる売上総利益・営業利益よりもNon-GAAP売上総利益・Non-GAAP営業利益の方が良い数字となっている。

その他の例 日立製作所、パナソニック、JT、電通

その他にnon-GAAP指標を用いる有名企業として日立製作所(及び日立製作所の子会社)やパナソニック、JT、電通が挙げられる。日立製作所は調整後営業利益、EBITという指標を用いる。パナソニックやJT、電通も調整後営業利益という指標を用いている。

ここで電通のIFRSによる営業利益とnon-GAAP指標である調整後営業利益の比較(2020年12月期)を下記に示す。電通は2020年12月期において営業赤字となった。しかしnon-GAAP指標である調整後営業利益は黒字となっている。

営業利益:△1,406 億円(赤字)
調整後営業利益:1,240 億円

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