東邦ガス(正式には東邦瓦斯)はガス業界3位で、愛知、岐阜、三重を地盤とする。ここでは、東邦ガスと東邦液化ガスの違いと関係について見ていく(2022年3月時点)。
両社の資本関係と沿革
東邦ガスと東邦液化ガスは、東邦ガスが親会社、東邦液化ガスが子会社という関係である。東邦ガスは東邦液化ガスの議決権の100%を所有しており、完全子会社としている。
(子会社)東邦液化ガス
東邦ガスは1922年に設立され、名古屋瓦斯を買収しガス事業を開始した。東邦ガスは1959年、東邦液化燃料を設立する。2005年、東邦液化燃料は社名を東邦液化ガスと変更し、現在に至る。
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東邦ガスの事業セグメント
東邦ガスはグループとして、次の4つのセグメントで事業を展開する。東邦ガスと東邦液化ガスの違いは、東邦ガスはLNG、東邦液化ガスはLPGを手掛ける点である。
・ガス
・LPG・その他エネルギー
・電気
・その他
東邦ガスは、上記の4つのセグメント全てに所属し、次の事業を展開する。
・ガス:ガスの製造、供給、販売などを行う。
・LPG・その他エネルギー:LNG販売や熱供給事業を営む。
・電気:電気の販売を行う。
・その他:LNG受託加工を行う。
東邦液化ガスはセグメント「LPG・その他エネルギー」に属し、LPG販売やLPG機器販売を営む。
LNGとLPGの違い
LNGはLiquefied Natural Gasの略で、「液化天然ガス」と訳される。通常は気体であるメタンとエタンを冷やして液化したものを言う。LNGは一般的にパイプラインで供給される(いわゆる都市ガス)。
LPGはLiquefied Petroleum Gasの略で、「液化石油ガス」と訳される。通常は気体であるプロパンとブタンを冷やして液化したものを言う。LPGはパイプラインではなく、ガスボンベで供給される(いわゆるプロパンガス)。
液化する理由は、どちらも液化することで体積が小さくなり(数100分の1)、船や車で輸送しやすくなるためである。
両社の事業規模
東邦ガスグループの直近数年の業績は連結売上高4,000億円~5,000億円の規模である。連結売上高に対して東邦ガスの単体売上高は大きく、3,000億円~4,000億円の規模で推移する。
一方、東邦液化ガスの直近数年の売上高は500億円~700億円規模で推移している。
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