電磁鋼板と磁石の違い

電気自動車(EV)市場の発展や、2021年の日本製鉄によるトヨタの提訴などがキッカケで耳にすることが多くなった電磁鋼板という単語。ここでは電磁鋼板と磁石の違いを見ていく。

電磁石と磁石(永久磁石)の違い

まず、電磁石と磁石の違いを例に示す。左側に示すのがいわゆる磁石(永久磁石)であり、半永久的に磁力を失わない。右側に示すのが電磁石であり、電流を流した時だけ磁力を持つ。

magnetDiff

上の図にあるように、電磁石の鉄心(コア)に用いられるのが電磁鋼板である。鋼は用いられる目的に合わせて様々な特性を持つものが開発される。電磁鋼板は電磁石、つまりモータや発電機、変圧器に用いられるという目的に合わせて、開発された鋼である。

EV市場の発展は、つまりEV用のモータ市場の拡大を意味する。さらに、EV用のモータに用いられる電磁鋼板は付加価値が高いとされている。日本製鉄がトヨタや宝山鉄鋼を提訴した背景には、こういった状況がある。日本製鉄として手放せない市場であり、技術である。

方向性電磁鋼板と無方向性電磁鋼板

電磁鋼板は、用途によって2つに分けられる。それが「方向性電磁鋼板」と「無方向性電磁鋼板」である。(それぞれの電磁鋼板の用途を示したJFEの資料

方向性電磁鋼板は、圧延方向(つまり一方向)にのみ優れた磁気特性を示す。これは主に変圧器に用いられる。2015年に和解した当時の新日鐵住金と韓国ポスコとの法的紛争は、この方向性電磁鋼板に関する機密漏洩、特許紛争であった。

無方向性電磁鋼板は、特定の方向に偏らず、全方位に優れた磁気特性を示す。これは主にモータに用いられる。日本製鉄のトヨタ、宝山鉄鋼の提訴は、この無方向性電磁鋼板に関する特許権の侵害であった。

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